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フォード フィエスタ に専用本革シートの特別仕様…限定80台
フォード・ジャパン・リミテッドは、コンパクトカー『フィエスタ』の特別仕様車「フィエスタ1.0エコブースト・レザーパッケージ」を限定80台で10月4日から発売する。
特別仕様車は、新型フィエスタ1.0エコブーストをベースとし、インテリアに専用の本革スポーツシートを採用、運転席・助手席にはシートヒーターを装備する。
外観は、専用のボディカラーとしてディープインパクトブルーとコッパーパルスの2色を設定し、スポーティなイメージをアピールする仕様とした。
引用元: http://response.jp/article/2014/09/29/233600.html
『フィエスタ』はフォードの世界戦略を支えるグローバルコンパクト。つまりは大衆モデルということになる。しかしデザイン、とくにスタイリングに関して言えば「安かろう、悪かろう」という評価はけっして当てはまらない。
フィエスタのスタイリングは、それだけのために考案したものではない。フォードがグローバルモデルに採用している「キネティックデザイン」という概念を、コンパクトクラスにも適用して完成させたものだ。つまり、より上級の『フォーカス』や『モンデオ』といった車種と同一のテーマが採用され、なおかつ共通したイメージを演出しなければならないわけで、見た目からはコンパクトカーとは思えないほど上質に感じられるのも納得だろう。
ただし、多くの日本人が「フォード」と聞いて想像するようなモデル、たとえば『マスタング』や『エクスプローラー』といった、きわめてアメリカ色の強い車種では、キネティックデザインが前面に押し出されているわけではない。日本市場におけるフォードは、いまだにアメリカンな印象が強いように感じる。フィエスタやフォーカスのような「欧州発のグローバルデザイン」がブランドのイメージとして浸透するには、いくばくかの時間と、フォード・ジャパンのいっそうの努力が必要なのではないだろうか。
実車の前に立つと、前述の通りヨーロッパ流の洗練された美意識を感じる。鋭角的なヘッドライトやシャープなグラフィックスが目立つものの、ドアやリアフェンダーなどは意外なほどふくよかで、それでいて張りのある曲面で構成されていることに気づく。とかくエッジを強調して造形すると、折り紙で作ったような「薄っぺらさ」を感じてしまいがちなもの。しかしフィエスタは「線」と「面」が繊細にチューニングされていて、塊感がありながら重々しくなく、さりとて軽薄でもないという優れたバランスを保っている。
ヘッドライトは非常に大きいが、この切れ長の造形がフロントオーバーハングのボリューム感を低減することに貢献。グリルは「なんだかアストンマーティンみたい」という思いもないではないが、写真で見るほどには存在感を主張せず、ボディ全体の造形とうまく調和している。ルーフスポイラーの形状は、エクステリアに躍動感をもたらしている。この形状は実際に空力性能を向上させるだけではない。真横から見たとき、Aピラーからはじまって緊張感のある弧を描くルーフラインが、そのままボディ後方に勢いよく抜けてゆくような印象を与えるようなデザインだ。
日本仕様はアンダースポイラーやサイドスカートなどのエアロパーツが標準装着。これはスポーティなイメージこそ強調しているものの、大衆車としての軽快さは損なわれてしまっている。販売ボリュームの小さい日本では、スペシャリティカーとしての魅力を強調したほうがよいという判断なのだろう。
インテリアもまたスタイリッシュだ。ステアリングやセンタークラスターのスイッチパネル等は、エクステリアのシャープさと同調したグラフィックス。エクステリアとインテリアでスタイリングのイメージにズレがない、というのは高く評価できる。
ただし完成度が高いとはいえ、日本人にとって最適なデザインとなっているかといえば、必ずしもそうとは言い切れない。具体的に言えば、スイッチのレイアウトに違和感が残る。筆者は座席をかなり前に出す姿勢を好むが、それでもセンタークラスターのスイッチには手が届きづらい。とくにシフトレバー前方にあるエアコン操作部はかなり奥にあり、運転姿勢のままでは手が届かなかった。このレイアウトはMTを基本としてデザインされていることを物語る。シフト操作する手の甲がぶつからないよう配慮したものなのだ。運転中はシフト操作が最優先。その他のスイッチは運転中に触れるべきではない、という理屈は理解できる。それでも信号待ちの間に気軽に温度調整できるほうが、日本人にとっては便利に感じられることだろう。
またAピラー基部にある三角窓も少々気になった。助手席側は問題ないのだが、運転席側は太いドアフレームに視界を阻まれ、ウィンドウとしてほとんど機能していない。フレームとトリムの形状を少しだけ工夫すれば、それなりに死角を減少させることもできたはずだ。
ただし、排気量1.0リットルということを忘れてしまうほど、思いのほか元気に走ることができる。シティユースでもワインディングでもパワー不足を覚えることはないだろう。そして太めのステアリングやブルーのメーター針が操作する楽しさをもたらしてくれる。
となると、変速はシフトノブ横にあるボタンを親指だけで操作する、というのはいささか興醒め。グローバルモデルとして、日本市場の日本人ユーザーのために最適化することは不可能。ならばそれを逆手に取って、日本でも世界各国の都市部を元気に走り回っているのと同じようにMT、あるいはMT感覚で運転できるグレードを導入してほしい…というのは贅沢すぎる不満だろうか。
引用元:http://response.jp/article/2014/10/03/234078.html
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